議会での慰安婦論争 2- 大阪堺市議会議事録より

地方議会によっては、議事録が検索サイトで簡単に調べられます。

堺市議会会議録検索システム http://www12.gijiroku.com/sakai/ から抜粋した慰安婦についての討論部分をご紹介します。

平成22年第 2回定例会-03月29日-05号

◆46番(小郷一君) (登壇)去る25日に開催されました本委員会の審査結果について報告いたします。
 本委員会に付託されました案件は、平成21年議員提出議案第26号日本軍「慰安婦」問題について政府に誠実な対応を求める意見書でありまして、本意見書に対して、委員から修正案が提出され、お手元に配布しております審査結果報告書のとおり修正して可決されました。
 なお、本意見書及び修正案に対して、まず、自由民主党・市民クラブ及び自由民主党堺市議団を代表して、委員から、今回、市民の方々から堺市議会に対し、慰安婦問題について意見書提出の要望があった。これまで日本政府は、慰安婦問題に関して、平成3年12月以降、全力を挙げて調査を行い、平成4年7月、平成5年8月の2度にわたり調査結果を発表、資料を公開し、内閣官房において閲覧に供してきた。また、平成5年の調査結果発表の際に表明した河野洋平官房長官談話において、この問題は多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であるとし、心からおわびと反省の気持ちを表明し、以後、日本政府は機会あるごとに元慰安婦の方々に対するおわびと反省の気持ちを表明をしてきた。
 慰安婦問題が多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であることから、日本政府及び国民のおわびと反省の気持ちをいかなる形であらわすかについて国民的な議論を尽くした結果、平成7年7月19日、元慰安婦の方々に対する償いの事業などを行うことを目的に、財団法人女性のためのアジア平和国民基金が設立された。日本政府はこの問題に対する道義的責任を果たすという観点から、同年8月、アジア女性基金の事業に対して必要な協力を行うとの閣議了承を行い、アジア女性基金が所期の目的を達成できるように、その運営経費の全額を負担し、募金活動に全面的に協力するとともに、その事業に必要な資金を拠出する等、アジア女性基金事業の推進に最大限の協力を行ってきた。
 また、日本政府は、女性に対する暴力などの今日なお存在する女性問題を解決すべく積極的に取り組んでいくことも、将来に向けた日本の責任であると考え、アジア女性基金が行ってきた女性問題の解決に向けた諸活動に、政府の資金を拠出する等の協力も行ってきた。
 国際的には、我が国の慰安婦問題に対する以上のような取り組みは、平成9年8月、国連人権委員会の下部機関である差別防止・少数者保護小委員会において、本問題の解決に向けてこれまでなされた前向きの措置であると評価する趣旨の決議もなされている。さらに、平成10年のクマラスワミ報告書にも、我が国の慰安婦問題に対する取り組みを歓迎すべき努力と評価をしており、本問題に関する日本のこれまでの取り組みに対し、国際社会が一定の理解を示していると考えられる。今日的な女性問題に関する国際的な相互理解の増進という観点からも、大きな意義があると考える。
 しかしながら、先の大戦において不幸に直面した女性はこれだけではない。何よりも多くの日本人女性が、中国大陸、太平洋諸島において、女性として最悪の辱めを受けたことは紛れもない事実である。中でも、沖縄戦などにおける米兵による日本人女性に対する辱めは、人権上、絶対に許されるものではなく、いまだ陳謝の言葉すらない。また、我が国は北朝鮮による拉致問題という人間の尊厳、人権及び基本的自由の重大の明白な侵害である重要課題にも直面している。
 もとより、歴史認識は国や人種・宗教が変われば、その評価は変わるということが世界の常識ではあるが、日本人として、同じ日本人が受けた許せぬ問題に毅然として対応できていないにもかかわらず、他国からの圧力により、日本政府の解決すべき課題を誤った方向に進めてしまう決議要請には賛同できないとの意見表明がありました。
 続いて水ノ上委員から、もともとこの慰安婦問題は吉田清治氏が私の戦争犯罪・朝鮮人強制連行という著書を出版し、その中で著者自身が韓国に行き、女性を強制連行し、慰安婦にしたという本人の証言から始まっている。それをもとに韓国では、映画を制作し、それが全世界に発信され、そしてそのイメージが非常に強くなった。しかし、著者の吉田氏は、これは創作であると認め、慰安婦問題はうそから始まった問題ということができる。その後、慰安婦と言われる方々から証言が出されたが、その証言も内容がころころと変わる。どれが正しい証言なのかわからず、また、目撃者も私の知る限りいない。すなわち、確定的な事実がなく、この問題が進められている。
 さらに、河野元官房長官の談話は、河野官房長官の歴史観と韓国政府との交渉及び16人の元慰安婦と言われる方の証言をもとに発表され、その中で官憲が直接加担して進めたこともあるとされている。
 そして、この吉田証言とそれに付随する映像または証言の中身、また河野談話が相まって、現在の慰安婦問題が進められている。日本軍の慰安婦、日本軍の相手をした慰安所だけが悪者にされてきたわけである。
 そういう歴史的事実からかんがみると、今回提出された慰安婦問題の意見書については、そもそも慰安婦問題ということから賛成できず、日本共産党堺市議会議員団が出した意見書については、河野談話の矛盾した内容にかんがみても、河野談話自体が怪しいのに、それに追従する意見書は言語道断と思っている。また、修正案が提出されているが、先ほど質疑の場で議論したように、慰安婦問題の定義がはっきりしていない。何を解明するのか、そのことも明言しない意見書を可決しても、その効力には疑問がある。
 したがって、求めるべきは吉田証言が本市の議決にどれだけ影響があるのか、また、河野談話の影響があるのは明らかだが、河野談話の真相を究明することがこの慰安婦問題の核心であり、この真相究明の後に、日本軍の慰安婦が是か非がということを判断するべきであり、この意見書及び修正案については反対するとの意見表明がありました。
 続いて、日本共産党堺市議会議員団委員から、この意見書はさきの12月議会で動議が出され、できれば全会一致で解決したい、そのための協議をしたいということで継続審議となった。私どもはその動議を受け入れ、この間、協議を進めてきた。
 今回提出された修正案であるが、提案委員から、我々の会派が提出した意見書と違う部分もあるとの発言があったが、まず1つは、慰安婦問題の真相究明、被害者の尊厳回復とともに、女性に対する暴力などの今日なお存在する女性の人権侵害の解決に向け、誠実に対応されるよう要望するという内容になっている。私たちは、被害者の声に耳を傾け真相を究明すること、これはそのとおりだと考えるし、この点は一致をしている。また、慰安婦問題の責任を認め、公式謝罪と補償、これは議論のあるところかもしれないが、被害者の尊厳回復には当然含まれるという解釈をしている。さらに、過ちを繰り返さないため、学校教育で史実を教えるという項目については、この修正案の文案にもあるとおり、平成21年7月、国連女性差別撤廃委員会第44会期の最終見解の条項38項の慰安婦の状況の恒常的な解決のための方策を見出す努力を早急に行うという点で言えば、この女性差別撤廃委員会の最終見解において、締約国が慰安婦の状況の恒常的な解決のための方策を見出す努力を早急に行うことへの勧告を改めて表明し、さらにこの取り組みには、被害者への補償、加害者の訴追及びこれらの犯罪に関する一般国民に対する教育も含まれるという点を、この修正案の中で紹介をしていることは一定の評価をする。
 そして、総じて考えた場合に、継続審議となった経過と意見の食い違いはあるとしても、最大公約数でこの問題を一歩でも進めて、堺市議会として意見を表明する、国に求めていくことは非常に大事である。そういうことから、この修正案に同意するとの意見表明がありました。
 以上で本委員会の報告を終わります。

○議長(星原卓次君) 以上で委員長報告は終わりました。
 ただいまの委員長報告に対する質疑に入ります。質疑はありませんか。
   (「なし」と呼ぶ者あり)
 質疑なしと認めます。
 これより討論に入ります。
 通告がありますので、順次発言を許します。16番西林克敏議員。

◆16番(西林克敏君) (登壇)先ほど、議会運営委員長から委員会報告の中で、我が会派の意見報告がありましたが、この問題の方向性を誤らせないためにも、再度、自由民主党・市民クラブを代表いたしまして、慰安婦問題についての討論を行わさせていただきたいと思います。
 これまでの日本政府は、慰安婦問題に対して、平成3年12月以降、全力を挙げ調査を行い、平成4年7月、平成5年8月の2度にわたり調査結果を発表、資料を公表し、内閣官房において閲覧に供してまいりました。また、平成5年の調査結果発表の際に表明した河野洋平官房長官談話において、この問題は多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であるとして、心からのおわびと反省の気持ちを表明し、以後、日本政府は機会あるごとに元慰安婦の方々に対するおわびと反省の気持ちを表明いたしてまいりました。
 この官房長官談話に端を発し、今日の慰安婦問題に続くと考えられるのですが、当時の官房副長官であった石原信雄氏が後に新聞のインタビューに答え、河野談話は政府の調査によって導き出されたものではなく、談話発表直前に韓国で行った元慰安婦16人からの聞き取り調査であったと語り、韓国側の強い要請で結論を導き出したことがうかがい知れるところであります。
 しかしながら、現実的には、日本政府及び国民のおわびと反省の気持ちをいかなる形であらわすかにつき国民的な議論を尽くした結果、平成7年7月19日、元慰安婦の方々に対する償いの事業などを行うことを目的に、財団法人女性のためのアジア平和国民基金が設立されました。日本政府は、この問題に対する道義的な責任を果たすという観点から、同年8月、アジア女性基金の事業に対して必要な協力を行うとの閣議了解を行い、アジア女性基金が所期の目的を達成できるように、その運営経費の全額を負担し、募金活動に全面的に協力をするとともに、その事業に必要な資金を拠出するなど、アジア女性基金事業の推進に最大限の協力を行ってまいりました。また、日本政府は、女性に対する暴力などの今日なお存在する女性問題を解決すべく、積極的に取り組んでいくことも将来に向けた日本の責任であると考えて、アジア女性基金が行ってまいりました女性問題の解決に向けた諸活動に政府の資金を拠出するなどの協力も行ってまいりました。
 国際的には、我が国の慰安婦問題に対する以上のような取り組みは、平成9年8月、国連人権委員会の下部機関である差別防止・少数者保護小委員会において、本問題の解決に向けてこれまでになされた前向きの措置であると評価する旨の決議がなされております。さらに平成10年、クマラスワミ報告書にも、我が国の慰安婦問題に対する取り組みを歓迎すべき努力と評価しており、本問題に関する日本のこれまでの取り組みに対して、国際社会が一定の理解を示しているものと考えられます。今日的な女性問題に関する国際的な相互理解の増進という観点からも、大きな意義があり、慰安婦問題については一定の解決を見たと判断できるものであります。
 加えて、さきの大戦において不幸に直面した女性はこれだけではありません。何よりも多くの日本人女性が中国大陸、太平洋諸島において、女性としての最悪の辱めを受けたことは紛れもない事実としてあります。中でも、沖縄戦において、米兵による日本人女性に対する辱めは戦前だけではなく戦後も行われ、人権上、絶対に許されるものではなく、いまだに陳謝の言葉すらありません。また、現在、我が国は北朝鮮による拉致問題という日本の尊厳、人権及び基本的自由かつ重大な人権侵害である問題にも直面いたしております。
 もとより、歴史認識は、国や人種、宗教が変わればその評価は変わるということが世界の常識でもあります。日本人として、同じ日本人が受けた許せ得ぬ問題に毅然として対応できていないにもかかわらず、歴史的に十分な確証もなく、他国からの圧力により今日の繁栄を築いていただきました英霊をことさらおとしめるような、日本人として進むべき道を誤った方向に進めてしまう意見書には賛同できないことを申し上げまして、討論とさせていただきます。

○議長(星原卓次君) 2番土師純一議員。

◆2番(土師純一君)会派に属さない議員(みんなの党・堺)
 (登壇)議員提出議案第26号「慰安婦」問題について政府に誠実な対応を求める意見書について、自由民主党堺市議団を代表いたしまして意見を申し上げます。
 慰安婦問題に関しましては、これまで議会運営委員会において継続して議論してまいりました。しかし、まだまだ議論し尽くしているとは言えず、なおかつ国民的議論、合意形成もなされているものではありません。もちろん、慰安婦として心に傷を負った方々に対し、深く同情するものに変わりありません。あくまでも、政府見解は、慰安婦の募集について軍当局の要請を受けた経営者の依頼により、あっせん業者らがこれに当たることが多かったが、その場合も戦争の拡大とともに、その人員の確保の必要性が高まり、そのような状況のもとで、業者らが、あるいは甘言を弄し、あるいは畏怖させるなどの形で、本人たちの意向に反して集めるケースが数多く、さらに官憲等が直接これに加担するなどのケースも見られたとし、国家の関与は明示されていません。
 また、一部政府の補助金で設立された財団法人女性のためのアジア平和国民基金、アジア女性基金は、国家の責任と国民一人一人の責任の区別をあいまいにしたまま国民から募金を募り、元慰安婦の方々に補償を呼びかけています。これらは一方では批判の対象になっており、国論を二分するような激しい論争が起きています。
 いずれにいたしましても、これらの状況を顧みると、元慰安婦の方々にとっても悲劇を生む結果になりかねないものだと思います。なお、政府は、女性に対する暴力などの今日なお存在する女性問題を解決すべく、積極的に取り組んでいます。
 したがいまして、慰安婦問題に関しましては非常に慎重に扱わなければならないものであり、現政権においてめざすべき国家像が示されていない中、本意見書が提出されることはまことに遺憾であり、拙速過ぎるもので、反対せざるを得ません。今後、なお引き続きの協議を行っていくべきであることを申し添え、意見表明とかえさせていただきます。

○議長(星原卓次君) 3番水ノ上成彰議員。

◆3番(水ノ上成彰君) (登壇)プロジェクト堺の水ノ上成彰でございます。
 ただいま議題となりました議員提出議案第26号「慰安婦」問題について政府に誠実な対応を求める意見書の修正案に対し、反対の立場から討論をいたします。
 この意見書は、大きく分けて前段と後段の2つの部分で構成されています。前段は、冒頭2行のさきの戦争に対する歴史認識の部分でございます。また後段は、慰安婦に対する認識と政府に対する要望の部分です。前段と後段に分けて考察し、討論をいたします。
 まず、前段部分のかつての戦争に対する認識ですが、意見書ではかつての戦争において、日本が近隣諸国の人々に多大な被害を与えてから、64年が経過する。しかし、いまだに戦争被害の傷は癒されていないと、日本が一方的な加害者としてアジア各国を侵略し、植民地戦争を遂行したとする、いわゆる東京裁判史観を前提にしています。たった2行といえど、非常に重要な部分であります。
 まず、この意見書を討論するに当たり、この歴史認識に対して我々の立場を明らかにしなければなりません。あの戦争は侵略戦争であったのかどうか。東京裁判は、一言で言えば戦勝国の日本に対する一方的断罪であり、国際法に違反する無効裁判であります。欧米列強が、自分たち白人社会のアジア植民地支配を帳消しにし、有色民族の国として唯一白人支配に刃向かってきた日本の解体を目的として偽造した復讐劇でございました。
 しかし、裁いた英米を初めとする連合国側の関係者や欧米諸国の識者でさえ、後に東京裁判の違法性を告発しています。ここで詳細を述べる余裕はありませんが、東京裁判の有名なパール判事のみならず、レーリング判事、ウエッブ裁判長、キーナン検事も違法裁判であることを認めました。何よりも、GHQの最高司令官のマッカーサーが東京裁判は誤りであったと証言したことが決定的でした。このように、日本を裁いた側の連合国では、東京裁判が誤りであったことは周知となっております。不思議にも、裁かれた側の日本人がそのことを認めようとせず、提案されている意見書の冒頭のように自国を責め続けています。
 さて、それでは、アジア各国は大東亜戦争をどのようにとらえているのか。意見書のように日本を一方的な加害者として断罪しているのか。第二次世界大戦が始まる前まで、世界に有色民族の国で独立を保っていたのは実質的に日本だけでした。アジア、アフリカ、南アメリカなどは、ほとんどの有色民族は欧米列強の植民地となり、差別をされ、筆舌に尽くしがたい搾取、暴力、屈辱を長く受け続けていました。
 意見書では、かつての戦争において日本が近隣諸国の人々に多大な被害を与えたと言っておりますが、日本軍が戦ったのは、アジア各国を植民地とする米・英・仏・蘭の軍隊であって、アジアの住民と戦ったのではありません。唯一戦ったと言えるアジア人は中国国民党軍ですが、現在、歴史の研究が進む中、日中戦争も中国国民軍側から仕掛けられたことが明らかになりつつあります。
 先の大戦がアジアの多くの人々に勇気と希望を与え、日本に対する賞賛の声は数え切れないほどあります。幾つかご紹介いたします。タイ国元首相ククリックド・プラモード氏は、日本のおかげでアジアの諸国はすべて独立した。日本というお母さんは難産して母体を損なったが、生まれた子どもはすくすくと育っている。今日、東南アジアの諸国民が米英と対等に話ができるのは、一体だれのおかげであるのか。それは身を殺して仁を成した日本というお母さんがあったためである。12月8日は我々にこの重大な思想を示してくれたお母さんが、一身を賭して重大な決意をされた日である。我々はこの日を忘れてはならない。
 また、インドネシア元情報宣伝相のブン・トモ氏は、我々アジア・アフリカの有色民族は、ヨーロッパ人に対して何度となく独立戦争を試みたが、全部失敗した。インドネシアの場合は350年間も失敗が続いた。それなのに、日本軍が米・英・仏・蘭を我々の目前で徹底的に打ちのめしてくれた。我々は白人の弱体と醜態ぶりを見て、アジア人全部が自信を持ち、独立が近いと知った。一度持った自信は決して崩壊しない。日本が敗北したとき、これからの独立は自力で遂行しなければならない、独力でやれば50年はかかると思っていたが、独立は意外にも早く勝ち取ることができた。そもそも大東亜戦争は我々の戦争であり、我々がやらなければならなかった。そして、実は我々がやりたかった。それなのに、日本だけに担当させ、少ししかお手伝いできずにまことに申しわけなかった。
 そして、最後に、インドの極東国際軍事裁判判事パール氏は、要するに、欧米諸国は日本が侵略戦争を行ったということを歴史にとどめることによって、みずからのアジア侵略の正当性を保持すると同時に、日本の17年間の一切を罪悪と烙印することが目的であったに違いない。私は1928年から1945年までの17年間の歴史を2年7カ月かかって調べた。その私の歴史書を読めば、欧米こそ憎むべきアジア侵略の張本人であることがわかるはずだ。それなのに、あなた方はみずからの子どもたちに、日本は犯罪を犯したのだ、日本は侵略の暴挙をあえてしたのだと教えている。満州事変から大東亜戦争に至る真実の歴史を、どうか私の判決文を通して十分研究していただきたい。日本の子どもたちがゆがめられた罪悪感を背負って、卑屈、退廃に流されていくのは、私は平然と見過ごすわけにはいかない。誤られた彼らの宣伝の欺瞞を払拭せよ。誤られた歴史は書きかえなければならない。これは昭和27年11月5日広島高等裁判所での講演で話されたことです。
 このような証言は数多くあります。日本はアジア各国を侵略しようとして戦争を始めたのではなく、主に米国に追い詰められたあげく、みずからの独立を守るため、またアジアの解放のために立ち上がったのです。このようなことに耳を傾ける日本人は残念ながら多くありません。戦後の日本人がGHQによる教育政策により、徹底的に贖罪意識をすり込まれたからです。ですから、このような意見書が提出されたんだと思います。
 もちろん、反対の立場の意見も承知しておりますが、少なくとも日本だけが一方的な加害者というわけではありません。本日提案されている修正意見書は、3月25日の議会運営委員会において、日本共産党が提出した意見書に対し、山口典子委員より修正案という形で提出され、その修正案を公明党会派、民主党会派、共産党会派の議会運営委員が賛成したことにより可決されたといういきさつがあります。そもそも、日本共産党が提出していた意見書には、このような大東亜戦争の歴史認識など書かれておりませんでした。修正案は、冒頭にこのような歴史観を挿入することにより、さらに我々にとって悪質になったと思っております。
 折しも、一昨日、私は大阪市住之江区にある大阪護國神社に参拝をしてまいりました。大阪護國神社には、大阪府出身で明治から大東亜戦争まで祖国のために戦い散華された10万5,600柱余りの英霊が祭られています。そのうち堺市出身の英霊は3,266柱、私はこの方々すべては悠久の大義、すなわち日本の独立を守り、アジアを欧米諸国から解放するために命を投げ出された方であると信じております。彼らが命を捨てても守ったものは、祖国であり、家族であり、そして郷土でした。
 しかるに、どうして我々の祖先を踏みにじるような意見書がこの堺市で提案され、可決されようとしているのか。たった2行とはいえ、重大な問題だととらえております。この堺市議会には、私が今まで尊敬をしてまいりました保守系の先輩議員が多数いらっしゃいます。この方々はこの意見書にどうされるのか。私はしっかり注視していきたいと思います。みずからの議員としての信念に間違いがないか、問うていただきたい。
 以上から、まず、この意見書冒頭の東京裁判史観に基づく歴史認識は非常に偏ったものであり、到底賛同できるものではないということを申し上げます。
 次に、後段の慰安婦問題についてですが、まず、2007年7月にアメリカ下院議会で採択された旧日本軍が女性を強制的に性奴隷にしたことを公式に認め、謝罪するよう日本政府に求める決議を引き合いに出されていますが、この意見書を提案された方、または賛成される方は、まずこの決議の内容をご存じなんでしょうか。
 原文から、冒頭の部分を紹介いたしますと、1930年代から第二次世界大戦までの間、日本政府により強制された軍事売春である慰安婦制度は、その残酷さと規模の大きさにおいて前例のないものと見られるが、それは集団レイプ、強制堕胎、性的屈辱、性暴力を含み、結果として、身体障害、死亡、最終的に自殺にまで追い込んだ20世紀最大の人身売買事件の一つであったとしております。これを聞いて、どう思われるでしょうか。全くの事実無根のでたらめであるということは疑いようがありません。
 そもそも、アメリカにこのようなことを言われたくはない。アメリカは、大東亜戦争において日本に原爆2発を落とし、30万人の市民を殺りくし、東京大空襲でも一夜にして10万人の市民を焼き殺しました。その90%以上が女、子どもです。これをホロコーストといわずして何がホロコーストでしょうか。それに対して、今まで一言の謝罪もありません。そのほか、日本人捕虜の虐待は数知れず、戦後日本に進駐してからは、アメリカは東京都に対し、アメリカの兵隊のための慰安所をつくれと命令を出しました。アメリカは、非占領国に女を出せと命じた国であり、日本の女性こそアメリカ軍の性奴隷とされたのでありました。こんなアメリカにでたらめな決議書を決議され、なおかつそれを押しいただいて、このような意見書を提出しようとしている。我々はこのことに我慢がなりません。
 なぜ今さらこのような慰安婦問題が取りざたされるのか。日本では、官憲による強制はなかったと完全に論破されています。このアメリカ発慰安婦問題は、中国の対日政策による問題です。この中心となっているのがマイク・ホンダというアメリカの下院議員。中国系の反日団体、世界抗日戦争史実維護連合会などから多額の政治献金を受けているものであり、実質的にホンダ議員は、中国のための活動を米国議会で行う工作員とみなしてよいと言われている人物であります。わざわざそのような者の片棒を担ぐ必要があるのでしょうか。慰安婦問題のうち、官憲の強制性については捏造であるということが国内では証明され尽くしていますが、ここで簡単に慰安婦問題の経過を私なりにまとめて申し上げます。
 1983年に吉田清治という元陸軍軍人が、私の戦争犯罪・朝鮮人強制連行という本を出版し、その中で軍の命令により済州島で女性を強制連行し慰安婦にしたという体験を発表したことによって、大きな問題となりました。現在では、吉田清治氏の証言はすべてでっち上げということがはっきりしており、本人もそれを認めております。この吉田氏の著書が発表され、朝日新聞が数度にわたり報道したことにより、政治問題化され、韓国内に元慰安婦という女性から数々の証言が出て、さらに大きな問題となっていきます。
 そして、1992年、宮沢喜一首相が韓国訪問時、韓国大統領との会談において謝罪をし、翌1993年、河野洋平官房長官が談話を発表しました。この河野談話は、閣議決定でもなく、国会決議でもありません。この河野談話は、官憲が強圧によって慰安婦を生み出した、また軍による強制の意思が働いたことを公に認める内容であり、今も取り消されておりません。河野談話は、客観的な証拠資料が何一つ存在しない中、韓国政府の強い要請と16人の元慰安婦の証言のみで結論づけられたものですが、いまだに一切が公開されておらず、証言には疑問があると言われています。そもそも、日本側に反問も検証も許されない中で行われた聴取であり、客観性は全く担保されておりません。河野官房長官個人の偏った歴史観が大きく影響した発言に過ぎないのです。
 以上から言えることは、この日本軍の慰安婦問題はすべてはうそから始まったということであります。アメリカやオランダ、カナダ、EU議会または国連での日本軍の慰安婦批判の決議または勧告の内容はすべて、この吉田証言に基づく慰安婦の軍による強制連行のイメージと河野談話がベースになっており、その内容は全くでたらめであると断言して差し支えないと言えます。ですから、我々日本人は何も臆することなく堂々と反論したら済む話であり、このような決議をもって、日本人があわてて市議会で意見書を提出するものではありません。
 日本軍慰安婦に関する意見書は、多くの自治体で日本共産党により提案され、残念なことに既に15以上の自治体で採択されています。慰安婦問題は過去に決着がついている問題であり、今さらわざわざ取り上げる必要は全くありません。それが全国的に取り上げられるようになったのは、2007年のアメリカ下院議会の決議の採択がきっかけであります。先ほど申し上げたとおり、中国の影響によるもので、国内で日本共産党がこれを機に全国展開しており、堺のように日本共産党のお先棒を担いで修正案を提出するところもあります。
 私は、この意見書は堺市議会で絶対採択してはならない意見書であると断言いたします。日本共産党の全国展開の運動に乗ってはならないということです。冒頭申し上げたとおり、東京裁判史観に基づく歴史観を堺市議会の意見としてはならないからであります。この意見書が万が一採択されるようなことがあれば、堺市議会にとって取り返しのつかない汚点を残すことになります。私は、誇りに思う祖先の名誉を守りたい。先ほども申し上げましたが、堺市には3,266柱の英霊がいらっしゃいます。その方々に感謝を申し上げるとともに、英霊の名誉を守らなければなりません。歴史を捏造し、いわれもなき罪をかぶせてまで、我々の祖先をおとしめることに、断固として反対の意を唱え続けます。政治は今の自分の立場のみを考えて行うのではなく、過去に生きた人の意思を十分尊重し、未来に生きる人たちの模範となるような判断をしなければなりません。
 最後に申し上げたい。論語に君子は和すれども同ぜず、小人は同ずれども和せずとあります。人格者は和やかな人間関係の構築に心がけるが、その場の空気に左右されて無責任な賛同はしないということであります。どうか、心ある議員の皆様に和すれども同ぜずという態度をとっていただくことを切にお願いを申し上げて、以上をもって私の反対の討論といたします。

○議長(星原卓次君) 9番田中丈悦議員。

◆9番(田中丈悦君)会派に属さない議員(スタンス明確市民派) (登壇)田中丈悦でございます。
 ただいま議題となりました議員提出議案第26号「慰安婦」問題について政府に誠実な対応を求める意見書案につきましての、私のほうからの意見を申し述べたいというふうに思います。
 本意見書案は、日本軍慰安婦問題につきまして、なおこれらの問題が解決されていないという観点から提出をされました2009年7月の国連女性差別撤廃委員会第44会期での最終見解をもとに、誠実な対応を政府に求めようとするものであります。また、2008年3月の宝塚市議会から今日まで、河野洋平官房長官談話に基づく真相の究明と被害者の名誉回復をもとにして、閣議決定などによる公式な謝罪と償い、歴史教科書への記述を初めとした歴史の継承を求めることなどが盛り込まれた20にわたる意見書、決議が全国の自治体議会で採択をされてきているのであります。
 一方、既にお話が出てますとおり、河野談話につきましては、申し上げるまでもなく、業者による甘言、強圧による本人たちの意思に反して集められた例や、官憲等が直接これに加担したことの確認と募集、移送、管理等につきましても、これらが当時の日本軍の関与のもとに、多数の女性の名誉と尊厳を傷つけたこととして確認をしたところでございます。
 一方、この間の経過におきましては、女性基金を初めとした償い事業におきまして、該当の被害女性の皆さんの中で、この助成金等の問題について大変大きな議論と深い亀裂を生じさせてきているところでもございます。これらにつきましての事実の経過、この変遷につきましても、極めて深刻な議論が行われてきたところでございます。
 そしてまた、私たち堺市議会におきましても、たしか記憶のするところ12名であったと思いますが、2008年6月に被害証言者として来られ、その際、市議会を訪問されましたイ・ヨンスさん、キル・ウオノグさんのお2人のお話をお伺いをしたところでもございます。このお2人の話からは、まさに当時の本人の意思に反して、慰安所へと強圧的に連れていかれる状況や、あるいは慰安所におけるその生活の状況、人間としての心身を深く傷つけられた当時の状況と事実について、私たちはお話をお伺いすることができたわけでございます。既に80歳を超えている、大変失礼な言い方でございますけども、彼女たちの言う、残り時間はそう長くはない。私たちの人生の最後の1つの希望である。幼いときに日本軍に踏みにじられ、奪われた名誉と人権を取り戻すこと、このことが最後の希望であるという言葉、そしてまた、日本政府がこれらの真実を正しく明らかにして、公式な謝罪と法的な償いを行ってほしい。再び私たちのような被害者が生まれないようにしてほしいという言葉を聞いたわけでございます。私たちは、こうした彼女たちの思いと願いにこたえるという、その努力を行う義務があるというふうに考えております。
 こうした立場に立ちまして、多くの自治体議会での意見書、決議で表明されています被害者への謝罪と償い、歴史教育が盛り込まれてないという点、あるいはまた12月議会で提案されましたこの意見書案につきましてのもとの表題の日本軍「慰安婦」という、この表題から今日、日本軍という文言が省かれている点、こうした点につきましては、私は留意を残し、加えまして国連女性差別撤廃委員会の最終見解の38には、本意見書案の問題解決の勧告の後に続きまして、これらの取り組みとして、被害者への補償、加害者の訴追及びこれらの犯罪に関する一般国民に対する教育が含まれるとの文言が続けられていることを補強して申し上げ、こうした立場から、本意見書案につきましては、同意賛成するとの私の意見表明をいたしまして討論といたします。以上です。

○議長(星原卓次君) 以上で討論は終わりました。
 これより本件を採決いたします。本件については、委員長報告のとおり可決することに賛成の議員の起立を求めます。
   (賛成者起立)
 起立多数であります。よって、本件は委員長報告のとおり可決されました。

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